笛吹市南部の芦川渓谷上流に全国的にも珍しい「日本スズラン」の群生地があり、そろそろ
見頃です。    
 


 左側のピンク色の稜線の左側は甲府盆地、右側のオレンジ色の稜線の右側は富士五湖地方
です。挟まれた渓谷に「芦川(あしがわ)」が流れており、その最上流に近い辺りにスズランの群生
地があります。標高1,300メートル、約8,000坪の面積に約230万株。人工の畑ではなく、白樺
林に自然に発生した群生地です。

 芦川は流れ下って富士川に合流し、駿河湾に注ぎます。一番上の黒岳でこの渓谷は終り、その
向うは甲府盆地と富士五湖が1つの稜線で隔たれるようになりますが、そこに御坂峠があります。

 この渓谷から河口湖は山一つ隔てているだけですが、車で往来出来る道はありません。しかし、
現在、図にある大石峠の下に「若彦路トンネル」が掘られていて、数年後に開通の予定です。
 すると、河口湖から芦川渓谷に抜け、上図の鳥坂峠を越えて笛吹市八代町に抜けるルートが
開通します。甲府盆地と富士五湖地方を結ぶ道が3本になります。

 余談が過ぎましたが、スズラン群生地へ行くには、芦川に沿ってどんどん遡ります。道路脇の
外灯も下図のように、真に風情があるものです。



 駐車場です。緑色のパラソルの所から少し山道を降ります。駐車場、入場共に無料。パラソルの所にいたおじさんが、干し山葡萄を少しくれました。山の向うは富士五湖です。



 山の斜面に白樺林があって、その足元にスズランがひっそりと咲いています。
 降りて行って、まず気がつくのは辺り一面漂うスズランの香りです。





 スズランは小さい花と知っていましたが、予想よりずっと小さかったです。
 調べたところでは、我々が良く見かけるスズランはドイツスズランで花も大きな種類だそうです。
 日本スズランは本当に小さくて可愛い花が咲いています。



 自然の花畑ですから、花がびっしりとはいきません。あちこちに少しずつかたまって咲いていると
言う感じです。次の写真などは多いところの例です。












 道標です。矢印の方向へ行くと、峠を越えて河口湖です。行ってみたくなる道標ですが、
残念ながら立ち入り禁止でした。



1軒だけある売店。コーヒー200円、おでん500円など。山の水で煎れたコーヒーは格別でした。



  ウィキペディアにある、「英名のLily of the valley(谷間の百合)から連想される、人里離れ
た清水がとうとうと流れる渓谷の木陰で、白い花をひっそりと輝かせ咲かせる、そんな素朴な
イメージが感じられる。」にぴったりの場所でした。

 スズランの花言葉は、「純潔」「純愛」「幸福の訪れ」など。可憐で清楚な姿が若い乙女を思わ
せます。贈られた人は幸せになると言いますし、フランスにはそういう風習もあるようです。

 ロシア民謡に「スズラン」と言う曲があり、マンドリンでは佐伯亮さん編曲の作品(→試聴
パスワードは楽譜と同じです)が秀逸で良く聴きました。途中半音上がる転調があって演奏は
大変でした。また我々が若い頃、「すずらん娘」と言う歌が巷に流れていたことも記憶にあり
ます。なんとなく青春を連想させる甘酸っぱさがあります。

 しかし甘いか酸っぱいか、味わってはいけません。かなり強い毒草で、活けられていた水を
誤って飲んで亡くなった例もあるようです。こういうものですかね、現実って。
ご注意。


スズラン群生地